KEIPEが新卒採用をやめるってホント?新卒を特別なものにしない考え方(前編)

2021年から始まっているKEIPEの新卒採用。これまで新卒採用で多くの学生との素晴らしい出会いがありました。現在もたくさんの新卒社員が大活躍してくれています。・・・しかし、そんな新卒採用の枠を外してしまう!という話を聞きつけた広報チーム。なんですって!

そこで今回、真相を確かめるべく新卒採用にかかわってきた未来人材創造室 室長の木原光正(以下、木原)と代表の赤池侑馬(以下、侑馬)に、KEIPEの新卒採用の歴史や枠組みを外す経緯などを、詳しくお話ししてもらいました。

「新卒採用やめちゃうの?」「枠組みを外すってどういうこと?」と疑問が頭に浮かんでいる方は、ぜひ読んでみてください!

もくじ

新卒採用を始めたきっかけは「理念の浸透」

ー木原さんがプロジェクトを立ち上げたとお聞きしましたが、どんな経緯ではじめたんでしょうか?

木原

そうですね、2021年の年明けくらいに一緒に働いていた社員の離職が立て続けに起きたことで、新卒採用を考えるようになりました。

僕は互いに協力しながらうまくやっていたつもりなのですが、突然社員がやめてしまって。それがすごく悔しかったのを覚えていますね。なんでだろう・・・って原因を考えたときに、ふと思い浮かんだのが「理念の浸透」っていうワードでした。当時は、表現を選ばずにいうと、表面的なつながりだけで。会社が大事にしているものを、みんなも大事にしようという思いが弱かったように思います。

理念浸透問題についてどうやったら解決できるのか考えているときに、なぜか「新卒採用だ!」とピンと来たんです。新卒採用をすることで、今いる社員たちの意識が変わってくれるのではないかとも思ってました。そこですぐに侑馬さんに新卒採用をしていきたいと話をしました。

ー新卒採用をしたいと聞いて侑馬さんはどう思いました?

侑馬

正直「ちょっと早いんじゃないの?」って思いました笑。僕の計画では、3年後ぐらいからやろうと思っていたので。「まぁ、木原さんがどうしてもというなら」と思って、結局即決でしたね。すぐにリクルーティングの打ち合わせをしました。

木原

結構なスピード感でしたよね。

個人にも組織にも大きな変化があった新卒採用

ー実際に、新卒採用をしてみて変化はありましたか?

木原

はい!よかったです!会社にいい影響がたくさんありました。

侑馬

でも、木原さん自身が変わったってよく言われるよね。

木原

それはよく言われますね。

ー何が変わったんですか?

木原

1番は覚悟ですかね。新卒の子たちは採用から育成まで関わるので、なんだか我が子みたいなところがあるなと思っていて。中途社員とは違って、まっさらなところから一緒に働いていくので、結構責任を感じます。その責任をまっとうしようという覚悟がここで出てきたなと思いますね。

侑馬

あと、新卒採用で会社全体も変わってきた。働いてくれている従業員側が新卒の彼らに対して、責任のある立場で大人として関わらなきゃいけないという意識になったと思うな。「この状態でいいんだっけ」みたいな問いが新卒を受け入れることで、組織内にずっと入ってくるから、組織の仕組みやマインドがどんどん変わっていったと思う。

実際に入ってくる新卒の子たちは、木原さんのいう通り本当にみんなわが子みたいなもので、まっさらで貴重な時間をKEIPEに捧げてくれるわけだからすごく責任がともなうなと思う。

木原

実際に新卒で採用した人の親御さんには挨拶に行ってるんですけど、怖いですもんね。責任を感じる。

侑馬

うん、怖い。笑

ー確かに、大きな責任がともないますよね。ところで、実際新卒採用を始めて離職率が下がったと聞きました。「新卒=離職率の減少」とはならないかと思うのですが、離職率が減った原因ってなんだと思いますか?

木原

結局は会社の理念やビジョンが伝わっているということだと思います。新卒への対応が経験値になって、中途にも同じようにビジョンの浸透ができるようになったことが要因かなと考えてますね。

侑馬

新卒を受け入れることで、組織全体にもマインドの変化があったよね。実際に僕たちも組織を変えて、より強くしようって動いていたし。

木原

そう、常にそこは考えて動いていたと思います。新卒が入るときには、メンターやOJT(※1)責任者がどういう風に関わっていくかや、キャリアプランを現場に伝えていました。

ー離職率が高かったときには、そういうかかわり方はできていなかった?

新卒1期生の3人(初々しい!)

木原

できていなかったですね。

新卒一期生の3人を振り返ると、いろいろな感情が出てきます。がむしゃらに頑張ってくれて、特に今一緒に働いてくれている2人はKEIPEで一番泣いていたと思います。今でも折れないで一緒に頑張ってくれているのは、本当にうれしい。ありがとう!笑

新卒を特別なものにしている“違和感”

ーなるほど〜。いろいろな思いが詰まったKEIPEの新卒採用だということを感じましたが、今回新卒の枠を取ると聞いていまして。どんな背景があるんでしょうか?

侑馬

理由は、新卒を特別なものにしていることに疑問を持ったからです。僕たちは「障がいを特別なものにしない」という考えでいるけれど、同じ人なのになんで大学を卒業したての人だけ「新卒」という枠組みで採用しているのか、変な仕組みだなって思い始めたんですよね。

新卒・中途関係なくスキルが高い人もいれば、伸びしろのある人もいる。そう思ったときに、もう関係ないなと思って。きちんとその人を見て、評価して、見合ったお給料を払えばいいのかなという考えに至りました。

木原

僕もそう思います。

侑馬

例えば、今はKEIPEを卒業しているんだけど、新卒1期生に荒木芽衣さんという方がいて、自分で事業を経営しながらKEIPEで週3日働いていた人がいたんだよね。ものすごい頻度で寝坊をしてしまうという欠点はあったんだけど笑、すごく能力が高くて。どうせなら彼女の能力を活かせるところで働いてほしいということで新しく部署を作りました。そうしたらものすごくうまくワークしたんです。

新卒1期生ですでにこういう事例が出てきたので、「多様でいいんだな」と思ったのを覚えてます。

荒木芽衣さんの振り返りnoteはこちら

ー新卒枠を外すというのはいつから考えていましたか?

2021年入社の新卒・中途・障がい就労支援A型社員、みんなで入社をお祝いしました。

侑馬

だいたい半年前からですね。新卒で入って、みんな18万円からスタートみたいな日本の新卒における「あるある」を1回やめてみようかという話になりました。本人のニーズにあわせて芽衣さんみたいな働き方をする人もいれば、グループ会社で働く人、バックオフィス系に行く人、いろいろな人がいてもいいよなと思ったんです。

あと新卒の枠を外すのにともなって「新卒を〇人採用しよう」という目標設定もやめました。一般的に新卒採用をする会社は目標を作ると思うんですけど、僕たちは、この人と働きたいと思う人だけ採用しようって決めました。

木原

あまり納得していないのに無理やり入れるのではなく、お互いに納得して「大好き」という状態になってから入社してもらいたいな、と思います。今後は採用フローも変えていきたいです。

ー採用フローって、その人ごとに合った部署に配属するみたいなことですか?

木原

それもありますし、求職者一人ひとりに合ったフローにしたいなと思っています。今までは、説明会→見学→プレゼン→最終面接だったけれど、幅広く事業を見せてあげるのも一つの手だなと思っています。カスタムしたいといっても、限界はあるかもしれませんが。

新卒採用を通して見えてきた課題

毎年恒例泊まりがけの「内定者研修」

ーちなみに今までどのようなフローで新卒採用をしてきたんですか?

侑馬

木原さんが就活生の行きたいという気持ちを作って最終面接にもってきてくれる。そして僕が「絶対後悔させない」という思いを届けて、新卒の子たちと信頼関係をつくるという流れでやってきました。

ただ、木原さんのポジションですでに関係を築いて「一緒にやりたいです!」という状態での最終面接もしたいなと思ってますね。

ー木原さん的に、新卒の子と信頼関係を築くということについてどう思いますか?

木原

全然ありだとは思いますね。ただ、今まで僕の段階ではジャッジしないで、いかに共感接点を広げていくかを任されてたので、そういったことは考えていなかったです。

侑馬

あ、確かにジャッジしないでって言ってたね笑

木原

そうだよ。結構忠実に守ったつもりよ。笑

侑馬

すみません、忠実にやってくれてました。笑

ただ最終面接まで持ってこれずに、取りこぼした人も結構いたので、そこには信頼関係を築いていられればなと思いました。うまくバランスを取れたらよかったから、これからに活かしたいね!

※用語解説